《MUMEI》
仕返し
〜ある日の夕方・カフェ〜
「そーいやシンラもアレ苦手じゃなかったっけ?」

あの蛇をまだ根に持っているクレハ。

「(幼稚な喧嘩だな〜)」

それを傍観するミア。

「絶対に言わないで!」

「仕返しだよ。コイツはなぁ〜」

シンラの表情が固まる。

「血が大っ嫌いなんだよな〜」

「へぇ〜意外ですね。そういや今日怪我しちゃって。」

ミアが腕を見せる。微かに血が出ている。

「やめろって言ったよね?」

下を向いたまま微かにに震えている。シンラの表情を読み取れない。

「コイツは小さい頃に大きい怪我して。それでトラウマって訳。」

シンラがクレハを見る。笑顔なのに頬には涙が伝っている。

「兄さんが余計なこと吹き込むから…」

笑顔が怒りの表情に変わっていく。

「許さないんだから!!」

「あっそ。好きにすれば〜?」

「(シンラさんってクレハさん抜きじゃ生きていけないだろうな〜)」

ミアの予想は見事的中。
数十分後にはシンラのほうから仲直りしていたという……

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