《MUMEI》

武道してるの?

ああ、してたけど、止めたんだ
ガキの頃からやってたんだけど、じいちゃんが亡くなってさ

お爺さんに教わってたんだ?

野蛮な、女だよな

そうかなぁ?

事の経緯を聞いたんだ

山田が眞鍋を呼び出したらしいんだよね、
別れるの別れないのとかって、話って事で

眞鍋は別れる気だったから、一人で行くのが嫌で、矢島に声をかけたそうなんだ、
でも、その時、矢島と浜崎が、込み入った話をしてて
それで、浜崎も一緒に行くことに

あのビルは、山田の実家だったんだって、
眞鍋は行ったことあるらしくて、
佐藤も居たし、女子は三人だし
山田の家族も居るだろうしって

でも、奴らがいた、家族は引っ越してた

自営業らしいんだ、山田の家は
印刷関係の仕事をしてたみたいだけど、
倒産したんだってさ

やけになってたのかなぁ

けど、関係ねーよ、理由にならねー、そんなの

話題を変えたくて、浜崎のことを聞いたんだけど

話題がつきちまった

沈黙した部屋

気まずいなぁ

怪我は?

さっき、聞いたろ?

あ、そ、そうだよな
か、帰るよ、ゆっくり休めよな

浜崎

な、なんだよ

居てくれよ、話したいことがあるんだ、
愚痴、聞いてくれよ

お、おう

男言葉に、悪態っぽい態度
だけど、
本当の浜崎は違うんだ

あの時、自分の服を俺に掛けてくれてたんだ、
あの、屋上で

シャツは、俺の止血に使ったから
寒い屋上で、ブラ1枚だったんだ

とひ降りるつもりだったのか?!

な、なんだよ

嫌だ、そんなの嫌だよ!

田宮………

浜崎を、抱きしめてたんだ、俺






印刷機の音と匂いがしてたって

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫