《MUMEI》

誰か来た

優子さんが出迎えに行ってた

よう、眞由美、遅かったな

うん

浜崎だ

眞由美聞いてるか?翔太の初めての話、
姉貴を襲ってよ、
間違えた尻に入れちまったんだってよ

え?

最悪だ、コイツ

眞由美もやられたのか?尻
どうだった?痛かったか?

……………浜崎が無言だった

浜崎を見れずにいた

な、なんだ、聞いてなかったのか?
たくさん話したって言ってたろ?

そんな話はしてないよ、

そ、そうなのか、わりぃ、けどよ、付き合ってんだろ?
いつかはそんな話にも

付き合ってないよ

へっ、けどよ、一緒に寝たって

添い寝しただけよ

な、え?!
けど、ドキドキして濡れたって、言ってたろ、
何しても全く濡れなかったのによ

何だ、その話……なんで真田さんがそんなことを知ってるんだ?

苛立ちがマックスになってた

バシィーン!

優子さんの平手が真田さんの頬を貫いてた

静まり返る部屋

俺、黙って立ち上がり、玄関に向かったんだ

翔太?!

姉貴の声を、無視した

待ちなさいよ、翔太

ご馳走さまって、伝えて

静かに言ったんだ

怒るのはお門違いだ
俺の中の問題だから

翔太

ひとりにさせてくれよ

翔太!

玄関を出たんだ

逃げ出したんだよな
あの場に居たくなかった

もう、わけがわかんなかったんだ



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