《MUMEI》
自分たちの家族像
後ろ首を冷やされながら
怪我したとこのガーゼとかを、丁寧にしてくれた母さんと姉貴

両手の指には添え木をしてから、包帯を巻く

左の小指と、右の手の甲が、まだ、くっつききってないんだ
肋骨には、なんか入れられてる

足の撃たれた場所は肉が凹んでる
弾を摘出したからかな

死ねないよね、女知る前に

姉貴が言ったんだ
からかうように

本当にしてないの?

母さんが姉貴に聞いてた

翔太は入れようとしてたよ
初めはレイプみたいなもんだったもん
でもね、それで翔太の気が済むならって、思ったの

……そう、母としては複雑よ

私はその気だったよ、楽になれそうでさ、その方が
縁遠くなる理由が出来るもん、
縁遠くなれば、自分のしたことを忘れてられる
翔太が、毎日、毎日、歯を食いしばって働いて貯めたお金を、私は……
お母さんだって、生活が苦しくても手をつけなかったお金なのに

入らなかったの?

入ったよ、お尻にね

リエ、そんなことしたの?

痛かったけど、妊娠しないし、
翔太、出しちゃってたから、ホットしたような、凄いことされちゃったような

出したって、ゴムは?

そんなの用意してから襲わないでしょ?
翔太だって、衝動的な行動だったのよ

リエ、彼ともそんなことを?

しないわよ、後にも先にも翔太だけよ、
させてって言ってくる男は居たけどね

母さん、してんだろ?

え?!

ごめん、メール見たんだ、勝手に

…………そう、それで知ってたのね

うん



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