《MUMEI》
俺の知らない世界
おいおい、でけー声だすなって…

あきれた顔で少年を見つめていると、誰かが部屋に入ってくる。

「まぁ…!本当に起きたんですね…!!」
「あの、どういうことですか?」

普通に寝ていたのではないのか。俺は。
まぁ、昨日の夜は死ぬかと思ったけど…。

看護婦は、悲しそうな顔をすると、

「恭介君…あなたは2年もの間、ずっと…眠ったままだったのよ。植物状態だったの。」

…は?俺が?

何故?



「驚くのも無理はないでしょう。病気でも何でもなかったんですから…」

二年後。

でも、俺はまだここに来たばっかりの記憶しかない。

この病室にこそ梓たちはいないが、
見つけて、ついていったとしても…


俺は、足手まといになるだろう。

 

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