《MUMEI》
アユミちゃん
高校生活もなれてきた頃だった

春馬さんに呼ばれたんだけど、
どう見ても、普通の人の、家じゃないよね

ドーベルマンが居るよ
吠えてる

田宮様ですね、こちらへ

うっわぁ、こんな人に様呼びされたらぁ

げっ、刺青が袖から見えてるし

その顔の傷は、ナイフでですか?
聞けねーよなぁ

君が翔太か?
娘が世話を掛けたね

アユミの父親
普通の人に見えないよね
ヤクザ辞めたんだよね?

言葉にできることなんか、なんもねーな

俺、何のために呼ばれたんだろ?

聞きたくなかったなぁ

俺を見て狙った奴等は処分したってさ

処分ってなに?
まさか

考えるのを止めたんだ

へ?、ボディーガード?

アユミが遊びに行きたがってる
だけど、一人で外に出すのは難しい状況なんだってさ
学校も、送迎してるんだってさ

春馬さんと優子さんが、来たんだ

そして、話題が変わった

アユミの母親の処分について話してたんだ

愛人だったそうだよ、でも、前妻が死去して、後妻になったのかぁ

前妻と息子と娘は殺された?!

聞きたくなかったなぁ

俺の父と母も殺されてる、眞由美の両親もだ

春馬さんの言葉!

いずれ、全てを話すわ
翔太、貴方の力を貸して

優子さんが言ったんだ

何すればいいの?

よかった、断られるかなって

まだ、異論ありますかね?

いや、その小僧なら構わないだろ

小僧?、撤回しろ、その言葉

ふっ、随分熱が入ってるな、自分の再来と言われてるからか?

春馬さんの再来?

関係ねーよ、歳は離れてっけど、マブダチなんだよね

春馬がダチと呼ぶのか、

俺より、病んでない
たぶん、染まらねーよ、翔太は

そう、願いたいものだな

わからない会話をしてた

その時、アユミが、連れてこられたんだ

ほら、アユミ、翔太に言いたいことがあるんでしょ?

優子さんがアユミを、俺の前に来させてたんだ

俺を見ないアユミに

恐かったんだろ?
気にすんなよな

そう言ったんだ

あの、あの

いいって、手を引っ込められたのは、悲しかったけど
見たくないよね、暴力シーンなんてさ

あの、しょ、処女いりませんか?!

フリーズした

自分の耳を疑った

父親が口をパクパクさせてた

春馬さんがタバコに火をつけてた

優子さん、驚いてた顔してたけど、ふって、笑い出したんだ

ほ、他にお礼見当たらなくて!
それに、誰かに犯されるまえに、翔太なら

泣き出してた、アユミ

いっぱいいっぱいなんだな、きっと

厳格な父親がいる前で言ったんだから、
アユミなりに、考えてのことだよねって、思ったんだ



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