《MUMEI》

綺麗な空……。クラス写真を撮るにはもってこいだ。


昔の沖縄の町並みを回る。皆が土産物産コーナーで水分を買っている間に麻美への土産にストラップやアクセサリーのある場所を物色する。



「それ、欲しいの?」
七生は俺の持つ、自然の繊維で編み込んで青い石が装飾されてあるブレスレットを指摘する。


「まさか、麻美に何かないか探してたんだ。女物だよこれ……。」


「最近痩せたから入るんじゃない?ほら」
七生が軽く俺の手首に当てる。
確かに、着けれそう。





「……あんま見せ付けるなよ?」
乙矢が間に割って入って来た。


「うっさいな、解ってる!」
いつの間に七生のやつ背後に回っていたんだろう!
これじゃあ直ぐに関係がバレてしまう。


「解ってないな。」
乙矢の言う通り、解ってない。

…………いや、自制出来ないのか。
俺が教えなければ。


「こうゆうのは家で…………ね?」
距離を取る。
言葉は伏せて七生に小声で伝える。
まだ俺には堂々と公表出来る程の覚悟はないんだ。でも、好きだよ。


「はーい。」
七生は不服そうに唇を尖らせた。




「けじめつけとけよ?二郎は遠巻きに見つめられている事多いんだから。」
乙矢の言葉でふと富岡の顔がよぎる。


「……本当、二郎に甘いよな!」
七生?
何急に不機嫌になって……



「お互い様だろ?」
にっこり、乙矢が笑った。

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