《MUMEI》

10分はあっという間に過ぎた。


「待たせたな!」

私服のラムダさん、初めて見たな。

「・・・ちょっと煙草吸わせてくれ。悪りぃな」

そう言ってラムダは煙草を取り出し、火をつける。

「・・・煙草、体に悪いよ」

「分かってるよ。でもやめれねぇんだ・・・」


しばらくして、ラムダが煙草を吸い終わると、
街中のレストランに入る。


「いらっしゃいませ。2名様ですね」

ウェイトレスに誘導され、私達はテーブル席に座る。


「あー、疲れたなー。
・・・今頃あいつら何やってんのかなー」

「あいつら?」

「アポロとかランスとかアテナの奴。
俺と同じように働いてんのかな」

ラムダは窓から遠くを見つめる。

窓から見えるのは、
冬のせいで日照時間が短くなり、17時過ぎにも関わらず
真っ暗な空とそれを明るく照らす街灯と
あの時と何も変わらないラジオ塔。






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