《MUMEI》
封鎖された空間
テレビを見てた室長が、叫んだんだ

アメリカが、手を引いたぞ!
これで、軍人は、動かねーな

何処にそんな、ニュースがあったんだよ?

暗号通信さ、冴木からのな
報道の電波も利用してるんだよ、
見慣れないアナウンサーだったろ?

凄いね

生き延びたな。時間稼ぎが幸を制したんだ

来るぜ、奴は来る

スポンサーが降りたのにか?

俺を仕留めるまで、恐怖から逃れられねーからな

そんなもんかね

気配を感じたんだ

エバ、地下に行け!

え?

早く!
出てくるなよ……

拳銃を手にして、いつでも撃てるようにしたんだ

おいおい、どうしたんだ、翔……

室長の喉に、短刀が刺さってたんだ、

窓ガラスの外から投げつけられた物だった

息絶えてる

目を、見開いたまま、ゆかに倒れてる

遺言すら、言えずに

即死

なにかが動いた、
引き金を引いたんだ

バケツ?!

拳銃は怖いと見えるね、
姿を表さねーや

ナチュラロイドのくせに、飛び道具ぐかい?

お前の短刀と同じだろ?

無様だねぇ、そんなものなのかい?
お前の力は

ビビってねーで出てこいよ、
俺のペニスが欲しいんだろ?

味わってあげるよ、死ぬ間際の硬直で、膨れ上がるペニスをね

ヤリマンの穴は、好きじゃねーんだよ、悪いな

助けなら来ないよ、
1週間、この地は封鎖された空間になったんだからね

楽しいねぇ、1週間も、遊べるのか?

いいえ、今晩限りよ、
ワンナイトラブで、貴方は死ぬのよ

おかしい、ふた手から、声が聞こえる

後ろに気配を感じたんだ

あの女が居た!

こんなに、近くまで!

拳銃を持つ腕を狙ってきた、やはり、鉛弾は怖いらしい

けど、拳銃がまっぷたつに!
鉄の塊を、あっさり切り抜くなんて!

また、背後に気配を感じたんだよね
目の前にあの女が、見えてるのにさ、

なるほどね、目の前の女には、俺が付けた傷がねーや

悪趣味なセンスだな、素肌に鎖状のよろいのようなものを纏ってる

双子かな?

一点読みだった、
首以外を狙われたら即死だったろうな

ザシュッ!

うぎゃぁっ!

背後にいた、女の腹が裂けたんだ

くのいち気取りかよ、センス悪いぜ

お前!そのナイフは?!

お前らだけじゃねーぞ、珍しい武器を持ってるのはよ

出来損ないの分際で!
よくもまあ妹を!

けっ、真っ黒乳首しやがって、ヤリマンが!

お前など、ナチュラロイドのりすとに乗ってはいない!
そんな出来損ないの分際で!

不細工が、マンコもブサイクになったら、価値どこにあるんだ?
男を襲わなきゃ誰も入れてくれーってかよ!

論点がズレてるけど、
俺の価値観なんだ、
ブサイクは嫌いなんだよな

腹から内蔵が出てたよ

だけど、何かのアンプルを口にし、
噛み砕いてたんだよね、
口元が血だらけになりながらさ、
んで、立ち上がったんだよ、
内蔵を垂らしたままね

ナチュラルなんとかじゃねーよ、ゾンビだ、間違いねーな、

呟いてみた

変な恐怖を追い払いたくてさ



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