《MUMEI》

うっ、………ここは?

ショウ?、私がわかる?

……エバ…

ハッとして起き上がろうとしたんだ、
体に激痛が走った

寝てなきゃ、

て、敵は?

誰も来ないわ、二日も寝てたのよ、ショウ、
目を覚まさないんじゃないかって…

地下室、
そうだ、あの双子の不細工と戦って

エバが、俺を運んだのか?
地下室に?

ペットボトルのお水を飲ませてくれたんだけど、上手く飲めなかった

たくさんあるよ、お水も食べ物も

泣きながら話すエバ

笑顔を作って見せたけど、体が、それに、寒い
残暑の、沖縄にいるんだよなぁ、なんで、寒いんだ

寒いの?
熱下がらないね

タオルがないから、自分のシャツを脱いで、俺のオデコに

エバが肌を密着させて、俺を温めてくれてたんだ

エバの唇に、血の跡が

震える指で、エバの唇に触れたんだ
乾いてて、取れない

あ、血?
吐血したの、ショウ、むせてたから

そう話し、俺の髪を撫でる、エバ
話したいけど、喉がカラカラで……

み、水、

待って、はい

うまく飲めなくて、また、零してしまった

すこしは飲めたけど

!、エバ、口移しで

コクン………コクン、

体に水が染み渡る気がした、
とにかく、回復させなくちゃ、
敵が来る前に

す、少し、寝るね

うん、
一人にしないでよ、

うなづくのが精一杯だったんだ

約束だよ

エバが、泣いてた



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