《MUMEI》

ーーーーーー


「まさかラムダさんに
ご馳走になるなんて思わなかったなー」

「そうだよな。でも俺はこうして
コトネと一緒にいられて…」

ラムダはそこまでいうと目を泳がせ、躊躇った。

「いや、何でもねぇよ。気にするな」



店を出た2人は、その辺のベンチに腰掛ける。

「そういえばラムダさん、さっき何か言いかけたよね。
あれ何だったの?」

「ああ、あれは本当に何でもねぇんだよ。」

ラムダはさっきのように目を泳がせた。

「…本当…?」

「…わかったよ、言えばいいんだろ。」

ラムダは観念したのか、さっきの続きを
言う気になったみたいだ。

「コトネの事が…好きみたいだ、俺。」

えっ…?

「だから、今こうやって一緒にいられるの
すげー幸せなんだよ…」

「…正直、あのラジオ塔の時だって
俺様わざと負けてやったんだからな。
他の団員達にコテンパンにやられて泣くお前なんか
見たくなかったから…」

私のために…?
でも、私のせいでロケット団は…。

「ラムダさん、私の事憎くないの?
ロケット団を解散させた張本人なのに」

「そりゃ憎いさ。ロケット団としてはな。
でも俺様は今はロケット団じゃねぇから」






前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫