《MUMEI》
マイ・ファニー・ヴァレンタイン2
ちらっと、アークの顔を見た。

アークはなかなか端正な顔つきをしてるから、

『歌の内容に君は該当しないからな…!』

とアイコンタクトで伝えてみた。

そしたら、アークは勝ち誇った万全の笑顔でこう切り返してきた。

『そうですよ!絶対俺じゃない!俺はもっと、そいつの上を行きますから!(俺はもっといい男だ!)』

ありありと伝わるので、更に笑いがこみあげてきた。

ドラマチックに歌い上げるはずが、どこかコミカルな歌になってしまったかのように思えて、用意していたMCの中身も、もうどうでも良くなってしまった。

そんなこちら(ミュージシャンサイド)の事情とは裏腹に、お客側にはこの何とも言えないスリリングで息の合ったサウンドと、震える寸前の声(本当はおかしくておかしくて吹き出す寸前の声)が魂を揺さ振られたようで!?

……絶賛だったらしい。

しかし、こんないきさつで『魂の歌』が編み出されるのは、いささか疑問ではある。が、こんな風にして歌に入り込む自分(今回の場合は、自分とアークのユニットと言ったほうがいいだろう。)も今、凄い境地に来ているのではないか?!

…なんてFunnyである。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫