《MUMEI》 そして丁度アパートの入り口に差し掛かったところで 「……動物たちが居ないなんて、僕にはやっぱり耐えられない――!!」 片平が飛び出してきた あわや岡本と正面衝突、その寸前 村山が軽々岡本を肩の上へと抱え上げ事なきを得た 片平はというと勢いのあまり脚を縺れさせ、その場に転んでしまう 「……片平さん、大丈夫?」 「千秋、やたらと近づいちゃダメ。危ないから」 片平へと手を差し出そうとした岡本を村山が背後から抱く様に止める 完全に片平を危険物扱いし 何故こんな状況になってしまっているのかを奥の前野へと問う 「那智、何の騒ぎか聞いてもいい?」 「……知るか。もうほっとけよ、そんな馬鹿」 最早自分の手には負えない、と両の手を上げる前野 その前野の様子に村山は苦笑を浮かべながら 「那智に此処まで言わしめるとはね。片平さん、ある意味すごいよ」 「……それ、多分褒めてない」 村山のボヤキに短く返す岡本 実際褒めてなどいないので、村山は苦笑を浮かべるしかなく 前野の言う通りに放置して置くが最善かと 村山は岡本をつれ、その場を後にしたのだった…… 前へ |次へ |
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