《MUMEI》

自己紹介も終わってプリント配布。アイツとは正反対の席だったし、関わることなくそのまま帰る予定だった。

「わりぃ、迅。俺ら今から補習だから。」

帰ろうと他のクラスになったダチを誘いにいくと悉く断られた。

何?新学期早々何やらかしたの、あんたら。ある意味すげー才能だよ、これ。

「了〜解。じゃ、またな。」

その後、靴箱へ…

う、っわ…一番よく分からん奴がいるー!?
まぁ同じクラスだし、靴箱の前に居てもおかしくはないよ?
ただ、話したことない奴がいるとこうも行き辛いとは……

「………?」

あ、見つかった…
靴箱の入口で固まってたら嫌でも気づくわな。

「……どうかした?」

こっちに近づいてきて顔を覗きこむように尋ねられた。

「いや、なんでも。」

俺は、そっけなく答えるとさっさと靴を履き替えて出ていく。

……なんで、コイツ着いてくんの。あ、方向同じか……。寄り道するにも一人だとつまんねーし。

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