《MUMEI》

翌日。
なぁ、なんで学校に行くのがこんなにもどかしいんだよ。

「はよー」

昨日の間にできた友達や前から仲良かった友達が返してくれる。
窓際の席で外をぼーっと見ていたアイツもこちらを見てくる。

「……」

どんだけ見てくるの、怖いよ。
* * * * *
「さて、帰るか。」

「向井君、もう帰るの?」

「そ。」

「一緒に帰ろ?」

「は?」

* * * * *
新学年初日。自分は静かな奴だから、友達もできないと思ってた。

彼はすごく目立ってて羨ましかった。
友達もいっぱいで…

そしたら靴箱で彼がいて、こっち見ててどうしたのかって
普通なら声をかけたりなんかしないのに…
普通ならそのまま立ち去るのに……
何でだろう…そこまで気にかかったのは
彼と家の方向が同じと知って、ちょっと嬉しかったのは

何でだったんだろう……

何で一緒に帰ろうって言ったんだろう。
好き……だったんだろうな、彼のこと。

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