《MUMEI》

「ジンベイザメだあ。」
凄い凄い、来て良かった!
規模が違う!


「あのデケーやつ?」


「そう!」
七生と二人水槽の端から端を見渡してはしゃぐ。
七生は尋常でない運動能力でついていくのに息が上がった。



「走るな。」
乙矢に制止されカメラで撮影しながらの南のペースに合わせた。


今1番、修学旅行楽しめてるかも。


騒ぎすぎて疲れた。バスでは七生のとの会話もまともにせず、寝てしまう。







「二郎、起きてー。」
気持ちいー、声がする。
低く響く、優しい音……


「…………ン、」
痙攣した。
目は覚めた、けど。
なんか脈が早打ちしてる。電気が通ったみたいになった。



「おはよ、ホテル着いたよ」笑いかける七生……。改めてこの男に魅了されてしまった。
寝起きのように頭がぼんやりする。

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