《MUMEI》

内閣府の膨大な資料の中から、
必要と思われるモノをピックアップしてくれてた

酒井さんがしてくれたみたいでさ

なんかさぁ、酒井さんと冴木、怪しいんだよね

それとなく、周りの人に聞いてみたんだ

秘密にしてるのよ、本人たちはね、

そう言って、ウインクしてたのは、山崎さんだったんだ

凄く朗らかで、ふんわりとした感じの女性

きっと、誰からも、好感度持たれるタイプだよなぁ

組織図を頭の中に入れてたんだ

腐ってんなぁ、この国は

そう思ったよ

皆が主張をしてる
一枚岩の所なんてひとつもないよ

唯一、内閣府は纏まってたけど、派閥が無いわけじゃない

警察も、上の方はヤクザと繋がってる、
まぁ、わからなくもないけどね
繋がってるからといって、悪事をしてるとは限らない
情報が欲しいんだろうけど、染まってく奴もいるだろうなぁ

酷いのは外務省だな、まっぷたつに分かれてるよ

ずっと、アメリカ寄りの、外交政策してきたけど、
そうじゃない一派が力を伸ばしてる

国会って、意味あるのかな?

そんなことも思ったな

綾波さんと、待ち合わせしてたんだ

綾波道場
浜崎の中の一派だ

ビルに、小さな看板が出てるだけだ
ビルの名前は第二三神ビル

駐車場の来客スペースに車を停めたんだ

三神、浜崎の母親の旧姓だ

応接室に案内されたんだ、
しばらくすると優子さんが来たんだ

春馬さんは今日、仕事の事で地元に行ってるんだよなぁ

俺の隣に座った優子さんが

私も呼ばれたの、
話ぐらい聞いてあげてね

そう言ったんだよね

そして、綾波さんと浜崎が来たんだ

心がざわついた

出されたお茶を飲んだのは、場が持たなかったからだ

飲み干してたよ、俺

浜崎の新体制の話をしてたな、綾波さん

そして、目の前に居る浜崎は、母方の姓を名乗ってることを知った

三神さんなんだ

浜崎じゃないんだな

浜崎の統一のため、働いてたんだってさ

ここでも、権力争いの話か
浜崎と同じように、昔から国と密な関係を持ってる人達が居る、
財界にも、また、同じような闇の仕事をしてる人達も

内閣府のデータで、事前知識はあったよ、

外務省のアメリカ寄り一派が、浜崎と密な関係だった
そして、外務省の都合で切られたんだ

そして、日本に残った浜崎たちは、
警察庁の組織に編入するか、野に下るかの選択を余儀なくされた

話を聞いててイライラしてきたんだ

何が言いたいんだ?!

声が荒々しかったな、俺の声がさ



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