《MUMEI》

なにがタクシーで来ただよ、
車有るじゃねーか?

………乗って、送るわ

何処にだよ?

浜崎道場よ

ちっ、優子さんもグルかよ

終わったらエッチしてあげるね、
春馬に内緒で、好きなことしていいわよ

やらねーよ、もう……まして内緒でなんか死んでもやらねー!

そう、言うと思ったわ
するなら三人でよね?

だから、しないって言って……

ほら、乗って

聞いてねーよ、優子さん
強引なんだよなぁ、いつもさ

優子さんの車の助手席に乗ったんだ

ヤマトは重傷で、身動きできないんだってよ、
両腕と肋が折れて、折れた肋が肺に刺さってたってさ、

全身打撲、車に羽飛ばされたようだとよ

ヤマトの話になると、不愉快な顔するのね?

無視した
わかってて、言ってるんだ、優子さん
ムカつく………

一応話は聞いたけどさ

浜崎道場に上がって、俺の第一声は

何処の誰だ、俺に逆らう輩は、名乗り出ろ!

だったんだよね

面白い、その力、見せてもらおうか?!

怒鳴った男が居た

待ちたまえ!
ちょうど良い、テストを兼ねて見せてもらうとしよう
内閣府のナチュラロイドの、力ってやつをね

そう言った、スーツ姿の男

誰だい、あんた

外務省の役人よ

声の主は、綾波さんだったんだ
眞由美も、来てた

車を届けに参りました、優子さんが鍵を置かれていきましたので
優子さんは私がガード致します

綾波が言ったんだ

ちっ、うっぜー

優子さんを見た

いっぱい謝るから、お願いね、翔太

くそっ、ハメられてる、
これだから女って嫌なんだよ!

黒い繋ぎ姿の男が現れた

あの駆逐艦で、吹き飛んだ外人ナチュラロイドが着てたのに、似てる

衝撃を緩和するスーツだ
ちょうど良い実験になるな、初めてもらおうか

偉そうだなぁ、お前

口の聞き方を知らないようだね、
内閣府の犬は

メガネの位置を中指でなおしながら、言った男の子目の前まで瞬時に移動したんだよね

死ぬぜ、ほんとよ

………ひっ、ひぃぃ、や、や、やれ、
これは実験だ!
殺しても構わん!殺れ!

後ずさりしながら言った、スーツ男

ちっ、早いな、この黒ツナギ

背後からくる、拳を避けた

そして、ミゾオチに拳を叩き込んだんだけど

なるほどね、日本製か?
よく出来てるね

俺のこぶしが効かなかったんだよね



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