《MUMEI》 「アヅサが……?まさか、アヅサは猫が好きです。」 『好きだから、ってことじゃない?』 「だって、今までそんなことしてなかった……」 『本当に言い切れる?見えないところで何かやっているかもよ?』 アラタの言葉は懐疑心を煽った。 「それでも、アヅサを信じたい…………」 樹はアヅサとの約束を思い出す。 二人は誓い合ったのだ。 『 ばぁーか 』 5分経つ前にアラタは切った。 少し、樹は落ち着いた。アラタの言葉で更に頭がこんがらがっていたが、耳鳴りのようにアラタの音声が安定剤として働く。 考えることを放棄していた脳を再び働かせる。 アヅサのはずないじゃないか。 樹の掌には何も異臭も汚れもなかった。 疑うなら…………………… 「わかなだ」 樹は口に出して改めて恋人を信用出来ない自分が怖くなった。 前へ |次へ |
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