《MUMEI》

ば、ばかな、そ、そんな、有り得ない、有り得ない!

はあっ、はあっ、はあっ、ん、

なんとか、なるもんだな、
足が、痙攣してる
体が重い、けど、

まて、わかった、わかったから待て!

待つ?、アホか、

グカァッ!

電磁ナイフか、スゲーな、
力を入れなくても、こんなにゆっくりでも、
かんたんに首が、転がったよ

ヘルメットで顔は見えない、
コイツの面に興味もないさ

ガン!

切り転がした頭部を、蹴り飛ばしたんだ
そして、殺された少女の、元へ

瞼を、綴じさせたんだ、
抱き抱えた

今の俺には、少女の亡骸は重たく感じた、
ぐっ、
でも、こんな場所に、置き去りにできない

アラームが聞こえた、時間なんだな

扉が開かれた、

酒井さんが飛び出してきたんだ

翔太、翔太!

酒井さん、柩を1つ、用意できる?

手当を、血が……

俺は生きてるよ、この子を弔わなきゃ

わ、わかったわ、

向こうの奴らが来たんだ、

近寄るな!

怒鳴ってた

下がりなさい!

酒井さんが拳銃を抜いてた、
奴らも抜いてたよ
言葉なんかわかんねー、
戦う力も、もう、ねーけど、

米軍と、自衛隊がライフルを構えてた、
狙いは、敵さん

一人のアメリカ兵が来た

オソーシキ、シテアゲマショ

俺に、そう言ったんだ

死後硬直で、硬くなりだしてる少女の体、
体内の汚物も盛れてる

けど、抱き抱えて、俺が出てきた扉を潜ったんだ

敵だった少女だけど、奴等に渡したらいけない
そう、思ったから



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