《MUMEI》
自分の家?
俺の体を案じてくれて、
パーティーは早めにお開きになったんだ

アイツの姿が無かったな……

春馬さんが運転する車の中
助手席には優子さん

そして、眞由美が俺の隣に座ってた

みんな、眞由美とアイツの関係を知ってるはずだよな、
編に思わないのかな?

そんなことを考えてたんだ

眞由美が、となりにいて、楽しい筈なのに……

調子悪そうだな?

春馬さんの声

ん、そうでもないよ

無理しちゃって

優子さんが言ったんだよね

ムリか、

呟いた俺に

ねぇ、わがままに付き合えって、なぁに?

眞由美に聞かれたんだ

あ、うん……

言葉に詰まる俺に

翔太の気街をあえて無視するわよ

そう優子さんが言って

お花見の時見てたのよ、押し倒したのかと思ったわ

そんな事を話し出してたんだよね

何がダメだよな、完全にその気だったじゃねーか、眞由美

春馬さんが冷やかしてた

うっさぃなぁ!

眞由美、自分から告白したんでしょ?

私なりにね、返事はもらってないわ

ワガママって、エッチなことよ、きっと

好きだからって、簡単にそんなことは……

そうなのか?

そうよ、そんなんじゃないって、よくわかったもん

俺も、わかっちまったよ

そうね、私もわかったわ

言いたいことはわかるよ、
でも、ほっといて、翔太と私の問題なの

あっ、そうだ、輸血、ありがとね

突然言った俺に

無理矢理話題を変えるなよ

春馬さんが言ってたんだけど、俺、眞由美を見てたんだ

うん、私の血液は、適合するみたいね

うん、助かったよ

ううん

話したいことが有るんだ、時間ある?

……うん、私も、あるの

先に俺のワガママに付き合って欲しいんだ

うん、約束だしいいよ

翔太、部屋を買ったんだ、お前の部屋をさ

突然春馬さんが言ったんだよね

そうよ、なかなか素敵な部屋よ、
家具も揃ってるのよ

優子さんが言ったんだ

そうなの?

揃えたのは眞由美だけどな

へ?

ごめんね、気に食わなかったら捨ててね
少しでも、落ち着く環境つけれたらなって、

驚いたよ、

春馬さんの家の隣なんだ

壁をぶち抜いて、部屋の中にもドアが有るんだ

ガキも掛かるわよ、じゃぁね

優子さんがそう言って、出てったんだ

喧嘩するなら、前向きにな

そう言って、春馬さんが出てった

眞由美と二人きり

なんか飲もうか?

うん

なんかさ、緊張するな

あ、珈琲がある、美味しいやつだ

眞由美が外を眺めてた
タワーマンションの最上階から

俺は珈琲を入れてたんだ

会話は無かった

口下手だよな、俺

そう思ったよ



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