《MUMEI》
田内家へ
『直樹)よかったらさ、家においで』

直樹はしばらくして泣き止んだ純夏の頭を撫でながら家に誘う

『純夏)家族は…?』

『直樹)母さんは仕事
弟がいるけどニートだから』

クスクスと笑う直樹に
純夏は一つ疑問に思った

『純夏)あの、おとぅ』

『直樹)父親の話はっ……したくないんだ』

純夏の言葉を遮った直樹の声は
少しだけ震えていた


『純夏)……行こっか、田内さんの家』

純夏は直樹の腕にそっとだきつくとにこりと笑う
直樹も微笑み純夏の言葉に頷くと車を走らせる

純夏はその間、直樹が買っていたココアを片手にパンをはぐはぐ食べていれば
その姿が可愛く見えた直樹に笑われてしまい
ほんのりと赤面していた、のは
別のお話

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