《MUMEI》
大丈夫
   〜江上視点〜


西村くんの方へ

足を運ぶ。


1歩また1歩と

西村くんに近付く度に

私の胸は

不安に包まれていった。


どう言ったら私の気持ちが

伝わるんだろう・・・。

気が付けば

もう西村くんの真ん前まで

歩いてきていた。

私は、とりあえず

不安を隠して

「じゃあ会計始めようか。」っと笑った。


西村くんも

緊張していたようで

少しぎこちない笑顔を

私に向けた。


当たり前だよね・・・。

私、西村くんに

"迷惑"とか酷いこと言っちゃったし。


私は、まず

西村くんに今までのことを

謝ることにした。


まず・・・誤解を解きたい。


本当は、迷惑なんかじゃなくて




嬉しかったって


分かって欲しい・・・。


黙々と作業を

続ける中


私は、西村くんを

ちらっと見た。


すると西村くんは


まっすぐ

目をそらすことなく

私を見つめてきた。


私は、口を開いた。


「あの、今朝言った

聞いて欲しいことが

あるっていう話なんだけど・・・。」


っと不安げに

西村くんを見つめる。


すると西村くんは

まっすぐ私を見たまま

優しく、でもしっかりと

「うん。

どんな話でも

受け止めるから

大丈夫だよ。」っと言ってくれた。


どんな話でも・・・?


私が逃げ回っていたせいで

西村くんを傷つけてしまった


身勝手な私の話を


受け止めてくれるの?

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