《MUMEI》
お仕事4
『菊菜…!?』

色鮮やかな着物に身を包んだ店主、菊菜だった
そして、菊菜に気付き声を上げる土方をみんなが注目する

『なんや、土方はんやないの
おおきになぁ
最近は来てくれへんくって寂しかったんやで?』

菊菜は土方のそばに座り寄り添うと拗ねたような口調で土方を誘う

『勘弁してくれよ』

酔いの醒めた土方は苦笑いしながら菊菜の頭を優しく撫でる

『斎藤はん、その子太夫やけど、まだ十と六つなんよ
せやで、あんまからかわんでやってや』

赤い顔を袖で隠す蜘蛛威を見て菊菜は笑い
斎藤を見ると宥めるように言う

『ああ、まだ童だな』

クスクス笑う斎藤を蒼依はじっと見つめた

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