《MUMEI》
まっすぐに
   〜江上視点〜


西村くんの言葉には

優しさだけじゃなくて

力がある。

西村くんが"大丈夫"って言ってくれたら


本当に大丈夫な気がしてきて


落ち着く・・・。


西村くんだって


色んなことで


悩んだり傷ついたり

しているはずなのに・・・。



西村くんが


私を支えてくれてるように

私も、西村くんのことを






支えてあげたい。


西村くんの言葉に安心すると


そんな気持ちが


溢れてきた。


「私・・・、

西村くんに謝りたいことがあるの。


謝っても西村くんの傷が

なくなる訳じゃないけど


どうしても


謝っておきたいの・・・。


この前は

酷いこと言っちゃって

本当にごめんなさい・・・。


信じて貰えないかもしれないけど


私、あの時の

西村くんの気持ち


すごく





嬉しかった・・・。


"迷惑"って言ったけど


そんなこと思ってなかった。


でも、自分が弱いのに


親友を理由にして





逃げてた・・・。


自分に嘘ついて


西村くんまで傷つけて



それでやっと

・・・分かったの。


自分が逃げてたこと。


本当は、気が付いてたんだと思う。


でも、西村くんを



好きになるまでは


ずっと気が付かない振りをしてたの・・・。


でも、西村くんに


出会って変わったの。



このままじゃいけないって思えたの。


今まで隠してきた気持ちを


まっすぐに伝えたいって思えたの。」

私は、そこで一旦言葉を切って


自分の頬を流れていたものを


拭った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫