《MUMEI》

眞由美が、自分のことを話し出してた

街に暴徒が現れた日のことを

将太が助けに来てくれる、
かってにそう思ってたんだ

来れないよね、半年眠ってたんじゃ

………春馬さん、アンプルを使ったの?

うん、使ってた、
エヴァが、作ったやつをね

エバが?

貴方用よね

そうなんだ?

わたし、嫌い、エヴァの名前出すの

あ、う、うん

私が自分で話したんだよね?
…………だから、翔太も我慢して、
ヤマトが来てくれたの、部隊を連れて、

聞いたよ……

アイツの、胸で、泣いちゃった

眞由美のことを、たいせつに思ってるんだよ、アイツは

………抱きしめなかったよ、私を

あ、うん

嫉妬するなら前向きに嫉妬してよ!
私は、そうしてるよ
エヴァは、貴方を助けてくれるから

俺さ、

聞いて!

…………うん

政治的圧力を掛けたのはエヴァよ、
貴方を返してもらおうと、
自分の元にじゃなく、日本へ
負けてるよ、私
ゼルダって人にも言われたわ、弱い、戦わないなんて、
ネオロイドとは思えない、
貴方に、ふさわしくない、そう、言われたわ

………おんなのこが戦うの、好きじゃないし

女には女の戦い方があるわ

嫌なんだよ、体を、とか

そんなことしないわよ!
バカにしないで!

バカになんて……

翔太、ヤマトね、そこそこ頼りがいあるよ、
スケベでオレオレで、ダメな所も沢山あるけど、
………来てくれなきゃ、私達、死んでたかも、
春馬さん、あーして笑ってるけど、
鎖骨、偽物入ってるの、

え?!

左目の視力も落ちてるの

そ、そんな、

優子さん、襲われてたわ、

な?!

私がここに残ると言ったからよね
翔太、強くなったんだって?

……俺、弱いよ
アイツにも、負けてる

アイツって誰?

………ヤマトに、負けてる

どうして?

眞由美を、助けられてない

みんなが貴方を必要とするからよね?
それは、仕方ないよ

それに、
俺、眞由美の前で、堂々としてられない

…………なんで?

怖いんだ

怖い?

き、嫌われるのが恐くて
好き過ぎて、何もできなくなる、
だらしないのさ…
アイツは、ヤマトは男らしいよな

………アイツは、そこまで私を好きじゃないよ、
体奪えばどうにかなるぐらいにしか、考えてないもん

…………負けてるうちは、消せねーよな

消して欲しかったな

………ごめん、

特別に、許してあげる
缶詰開けるの見せてくれたし

なんだよ、それ

貴方はみんなの、特別

そんなことねーよ

少なくても、私には特別な人よ

!、眞由美の、唇

ただ、くちびるを、合わせただけ
でも、眞由美から

………簡単に、エッチできると思わないでね
もう、そんなことしたくないの
後悔もしてるんだ、簡単にエッチしちゃった過去を
過去は、変えられないけど、ね

眞由美が、俺の胸に顔を埋めたんだ

そっと、抱きしめた

いなくならないでね、
毎日、泣いてたの

え、あ、うん

約束、したよ

……………眞由美、俺さ、眞由美を口説こうと思って、来たんだ、
エッチが、どうとかじゃなくて、
…………彼女に、したくて、
今、フリーなら、俺にチャンスをくれないか?

………………………眞由美?

ね、寝てる

すんげー、勇気出して、言ったのに

……………ま、いっかぁ、眞由美が安心して眠れるなら



前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫