《MUMEI》 不真面目おっさん先生×お節介新任先生またか、内心舌打ちして俺の担当教諭、三上を探す。 「あら、荒巻先生。また?」 『えぇ、いつもの事で』 音楽担当の秦野先生に苦笑いを溢しながら、心当りのサボり場所を探す。 現国担当の三上先生は、新米教師の俺の教育担当教諭。40代のおっさん先生だ。 屋上の扉を開けたら、寝転び煙草を燻らしながら空を眺めている三上先生が見えた。 …おい、おっさん!お前は、不良学生か。心でツッコミを入れて、三上へ近付く。 『ちょっと三上先生、何してるんですか!』 「んあ?お〜荒巻チャンか?何だ?」 『チャン付けは止めて下さいって、お願いしましたよね?てか、授業はどうしたんですか?』 呑気な声にイラッとしながら、腕を掴み無理矢理引っ張り起こす。 「授業?んなモン自習だ、自習。」 『はぁ?自習?アンタ今週何回、自習にしてんですか?勝手な事してないで、さ、行きますよ!』 掴んだ腕をグイグイ引いて、屋上の扉を目指す。 「ちょ、荒巻チャン、痛い痛い!おっさんをもう少し労る気持ちは…」 ギロリと後ろの不真面目なおっさん教諭を睨み付ける。 「あ、ははっ…ナイデスヨネ。」 『煙草、消して下さい』 「おっ、ああ、そうだな。」 ポケットから携帯灰皿を出し、煙草を入れた。 『授業の度に、行方を眩ますの止めてもらえませんか?子供じゃあるまいし…』 「ん〜、でもなぁ…」 携帯灰皿をポケットに仕舞いながら、俺の顔を眺め笑う。 『なんなんですか、アナタは…』 「だって、探しに来るだろ?」 掴んでいた腕が外され、今度は俺の肩を捕まれる。 『は?』 「荒巻チャン。血相変えて1番に来るじゃん、な?」 するりと、頬を撫でられる。 「可愛いんだよなぁ、忠犬ハチ公みたいで…」 …ちょ、顔が近い近い近っ………不意に煙草が薫り、唇を塞がれた。 『んんっ?』 「それが、楽しくてサボり止めらんね〜のよ。」 『はぁぁ?いい大人が、何子供みたいな…』 「だから、年寄りの楽しみ奪わないで、ね?荒巻チャン!」 さあて、1時限分の充電は完了したから、授業に行きますかぁ?と、伸びをして扉を開ける。 『………』 おい、俺のキスは1時限分しか効果がないのか?燃費悪すぎだな、おっさん。 毒づきながら、前を歩く少し猫背な背中を眺めていると、ピタリと足を止めて振り返る。 「あ、そうだ。今夜たっぷり充電したら、明日はサボらないかもなぁ」 振り返り、ニヤニヤと笑うおっさん。 …まったく、このおっさんは…などと思ってはみても、結局惚れたモンが負けなのだ。 『そんな事言って、前みたいに次の日腰痛で休まないで下さいよ?三上先生?』 「ふっ、荒巻チャン。言うようになったじゃないか?まだまだ若いモンには負けないよ、俺。」 『じゃ、勝負しましょうか?』 「望む所だ!」 などと、不純な会話をしている内に、教室へ辿り着いた。 「取り合えず、授業しますかぁ?」 『そうですね。』 …続きは放課後、教師達の秘密のお楽しみタイムなのだ。 おわり ***** あれ、こんな展開に。 二人は付き合ってるんですかね、多分…。 読んでいただきありがとうございましたm(__)m 前へ |次へ |
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