《MUMEI》

………どの位、キスしてたのかな

まだ、名残惜しかったけど、離れたんだ

………不思議、
もう、一緒に暮らしてて、エッチもしてるのにね

俺、覚えてないもん

くすくす、そうなんだよね
私が犯しちゃったんだよね

本当なの?

うん、私の中で出したよ

い、いいの?

今更でしょ

そ、そうだけど、

唇って不思議だね、
春馬と、キスしたとき、舌を出せって言われてしたけど、
こんなたかまる気持ちなかったなぁ、
アイツも私の唇舐めてたけど、キスじゃないし、
なにか違う、
キスでもわかるんだね

え?

翔太は?
キスは何人も経験あるでしょ?

そ、そうだね
でも、わかんないよ
ほかのことばかり、その、体のことばかり考えちゃってさ

誰が一番良かった?

わ、わかんない、けど、よくない人も居たよ

誰?

遊んだ人

そんなこと、したの?

う、うん

質問攻めにあったんだ、
いつ、誰と、どんなって……

眞由美、怒ったり、笑ったり、呆れたり、
色んな眞由美を見れたんだ

私だって嫉妬するよ!

うん

でも、翔太は少し違うね、
なんだろう………ねぇ、何が嫌なの?

何がって

探してみようよ、翔太の深い部分にある気持ちを
私は、嫉妬するけど、今、私を選んでくれてるって、それでかなり気持ちが楽になるの
…………探してみようよ、一緒に

静かにそう言った眞由美の瞳は、とても優しかったんだ



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