《MUMEI》 本当の始まりしばらくして学校に行きました。父子家庭の私を笑うのでしょうか、別にそれでもいいと思いました。自分の席について膝のあたりを見る目ていました。 涙が込みあがってきました。つらい、苦しい、悲しいよ。誰か、誰か私を助けて。どれだけ無慈悲な神様も、どれだけ冷たい父親も、どれだけ冷めきっているクラスメイトにも、誰一人として私を見ようともしなかったのです。あの子、お母さん死んじゃったんだって。うわぁ。くすくす、くすくす。 あの人を悪く言わないで。私の太陽だったあの人を悪く言わない。やめて、やめて。心の中で感情が爆発しそうになります。 「うるせぇよ」 静寂。 机とクラスメイトをかき分けて乱暴な口調の誰かが私のもとへとやってきます。からかいでしょうか、あざけるのでしょうか。 「おい、なぁ、お前だよ」 私の机に手をつきながらどこかぶっきらぼうに話しかけてくる人物がいました。その人は――。 「うわ、目ぇ腫れてんぞ、大丈夫か?」 その人は、いつも私をからかってきた――。 「その……なんだ、あの……」 乱暴で、口が悪くて――だけど、 「なんか、嫌なことがあったら俺に言えよ。助けてやるから」 輝くようなあなたそっくりな笑顔をする少年でした。 無慈悲で、冷たい感情が渦巻く深く、暗い色の海の近くで、金色のひまわりが咲きました。 前へ |
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