《MUMEI》

……シャワー、浴びてくるね

いいよ

恥ずかしいもん

離したくない

………恥ずかしいから隠したんだよ、
どう思われてもいいって思ってる人には、隠さなくたって……

俺、逆だもん
化粧してない眞由美が、みたい、
そのままの眞由美を知りたい

そうだったね、

あの映像を見た時、思ったよ
眞由美がどんな気持ちでいるかなんてお構いなしに、アイツは自分を満たしてた
でも、わかるんだ
男はみんなあるのかもな、
春馬さんの大切な女なのに、なのに、だから余計ってのも、あったよ

男性の性的欲望が嫌いだったの、
醜い、汚らしい、そう思えて、

うん、わかってる、
辛い思いしたんだもんね

うん、目の前で母が犯されてた、
私に手を出さないでって、
なら、舐めろよって
オシッコする棒を舐めさせられてたわ、
お父さんが見てるのに

俺の胸に顔を埋めて、眞由美が話してた

赤ちゃん作る行為をしてた、
どうして?
なんで、お父さん以外の人がお母さんとするのって、
お父さん、おっきくしてたんだ、
自分の津曲やられて興奮するのかよって、バカにされながら、殴られてたの

眞由美が震えてる
抱きしめたんだ、他に何も出来ないから、
とにかく抱きしめたんだ


だれかが裏切ったのよね、きっと

え?

私に子供を産ませれば、支配者になれるって、
あんな下っ端が知るはずないもんね、
そんなこと、言ってた気がする、

眞由美?

私も向き合う、過去の自分に、
お父さんが言ってたわ、
そこまでして守るのかって……

道場に槍を取りに逃げ出したの
でも、追いかけてきた奴らに、
春馬が来てくれた、
私、何もできずに、泣いてただけ、
言葉が出なくなったの、
人と合うのが恐くて、
強くなりたい、そう思ったわ、
とくに、男には絶対負けないって、強く誓ったわ
お父さんの、お葬式の時

眞由美が、泣いてる、
何もできない
苦しい、泣かないで欲しい

お母さんはね、自殺したの

そう言って、眞由美が俺にしがみついたんだ

せきを、きったように泣き出してた

全部私に任せるって言って、死んだの!!
逃げ場所なんてなかった!
なんとかしなきゃ!
だから、体売って!…

無理矢理唇を塞いだんだ、眞由美の唇を

キスなんて、甘いもんじゃなかった、
押し付けて、塞いだんだ

眞由美の鼓動が、静かになってきてた

眞由美が舌を絡めてきた

ありがとう、少し、疲れちゃったぁ

眞由美を、抱きしめてたんだ、胸に

眞由美が、甘えてた
頬を寄せて

眞由美の、髪を撫でてた

他に、なにもできる事なんて無かったから

何時しか眞由美、スヤスヤと、

眞由美の寝顔

絶対、守ってみせる、
泣かせるもんか………

そう、誓ったんだ



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