《MUMEI》

たくさん買い物をして帰ってきたんだ

夕食めんどくさいからって、お惣菜を買ってきたんだよね

ほらよ、

春馬さん、俺にビールを渡すんだ

灰皿も

おっぱいおっきい方が好きなの?!

え?

なによ、デレデレしちゃって!

べ、べつに、デレデレなんて

眞由美の方が嫉妬してるな?

そうね、でも翔太、意識して私の胸から離れようとしてたわ
昔はそのまま楽しんでたのにね

楽しんでたの?!

痛いょ、眞由美ぃ

優子から腕絡めて嫌がる男なんていねーよ

そうね、なんとかやれないかなって考える男は多いけどね

翔太は逃げてるよな

もう出来ないかもねぇ、眞由美のガードが硬いから

したいの?!翔太と

私はしたいわ

変じゃないの優子さん!

どうしてよ

だって、

体は許せるぐらい好きよ、翔太のこと、
腕を絡めた男なんて春馬と翔太だけかな、
力任せに襲われたらからだなんて奪われちゃうけど、
気持ちは動かないもの、
眞由美も、そうだったでしょ?

え?

体はあげれても、心は動かないわよね

…………眞由美、黙っちゃってたんだ

いろんな気持ちがあるわ、
好きって気持ちにはたくさんあるのよ、
世間のルールは知ってるわよ、
でもね、私は翔太が好きよ、
二人きりで一緒に暮らせるかって言われたら、
それは、春馬とじゃないとしっくり来ないけど、セックスは翔太と出来るわ
そのぐらい好きよ

………わからなくないけど、
独占してたいの、翔太を

わかってるわよ

お酒?

生理来るんでしょ?
少しぐらい飲んだら

うん、ビールがいいな

ビール?

うん、翔太と同じもの飲みたいの

はいはい、

ラブラブだな、ホントよ

こんなに楽しいんだね、大好きな人と一緒に居るって

初めての彼氏だもんなぁ、そうだよなぁ

……うん、初めての彼氏かな、
本当の意味で、
初めてで、最後の、彼氏……

わかんないじゃない

わかるんだ、翔太以外いないって、
それが遺伝子に書き込まれてようが、なんだろうが関係ない
こんなにハッピーな気持ち、初めてだもん

眞由美の意思だよ、遺伝子なんかカンケーねーよ

春馬、私ね、気にならなくなってきたんだ、
定めだろうが、遺伝子だろうが、将太を大好き
この気持ちを大切にしたいんだ
だから、なんでも隠さず話し合ってこうねって、翔太と約束したの

しっかり向き合えよな

うん、私は出来るよ

んだよ、優子さん

俺を見てる優子さんを牽制したんだ

セックス上手な翔太って、なんな嫌ね

な、なんだょ

慣れたら上手くなるぜ、翔太、
相手を見てるもんなぁ

上手くないの?
わたし凄くいいよ気持ちいいよ

まだ、全然よ、ただ、翔太だから感じるのよ

もっと、気持ちよくなれるの?

なるなる、眞由美スケベみたいだしさ

なにょ、春馬、やらしぃ目して

いい女になってきたなってよ

あら、お世辞が上手ね

世辞じゃねーよ、
もっと綺麗になるな、眞由美

え?

そうね、なるわね、まだ私の方が綺麗だけどね

何よ、負けないからね

まだ無理よ、愛され方が違うもの、
はるまの愛は強いわや
女は愛されると綺麗になるのよ

じゃぁ、負けないように頑張らなくちゃな、俺

おっ、言ったな、翔太

色々悩みはあるけどさ、
出来ることはそれしかないもんね
もっと好きになる、
もっと愛したい
それしかできねいもんな
余裕ある、カッコイイ男なんて、まだまだ出来ねーしさ

ばかねぇ、一生懸命な翔太がみりょくてきなのよ

そうだな、ガキくさくても、
光ってたしな

春馬が見つけたのよ、将太を

不思議な魅力を感じたもんなぁ、
間違いなかったんだな、俺の目は

ちょっとう、私より好きにならないでよね!

優子さん、翔太に嫉妬するの?!

するわよ、春馬が大好きな人じゃなきゃ寝ないわよ!

え?

まだ、眞由美負けてるわよ、
春馬、自分より将太を大切に思ってるもの、

ま、負けてないもん!

勝ち負けじゃねーだろ
飲もうぜ

春馬さん、少し照れくさそうに、そう言ったんだ



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