《MUMEI》

翔太は生きてる、信じて待とう……
そんな話からね、
優子さん泣いてたのに、春馬がキスしたら甘えててね

見てて、ドキドキしたよ、
色んなこと、考えちゃった、

目を逸らして、そう話してた眞由美が、
俺を見たんだ

言葉、選ばないね

そう言った眞由美が

私は感じなかった、アイツと何度もしたのに、
二人の行為を見て、ドキドキするのに、感じない
女として、カタワなのかなって、

待ってても、翔太は私の元に帰ってくる訳じゃない、

翔太、優子さんとエッチしたんだよなぁ、感じる女がやっぱ良いよね、
私じゃ……

そんなことを考えてたの、
ふたりを見ながら、

目の前の二人は、私の知ってるセックスじゃなかったの、
うまく言えないけど、優子さんは我慢してない、
求めてるの、もっと私で気持ち良くなってって言ってるミタイニ見えたんだ

なんでへー気なんだろ、私がいるのに、
そんなことも考えたかな
優子さん、凄く気持ちよさそうで
春馬も、興奮してるみたいで

将太は生きてる、絶対帰ってくる、
また、抱かれたいんだろ

そう言いながらヤってたのよ
理解できなかったわ
3人でしたい、
優子さん、そう答えてたんだもん

その時ね、私は仲間はずれなんだなぁって、

翔太の近くに居ない存在なんだなって、思ったよ

濡れてるかって、聞かれたのは、
春馬が出したあとだったの
それ自体、驚いてたんだ
夫婦だから、べつにね、けど、こんな状況じゃない、
命だってわからないのに……

何も言わず、中にだしてて、
当然のように受け止めてて、

春馬が触ってきたけど、そのまま触らせたんだ

私の方が身体を求めるのかな、
そうも思ったよ

なら、優子さんはなに?
殴ってやろうって思ったンだ、
べつにバージンじゃないし、昔も触らせてるし、
指入れて楽しみ出したら殴ってやろう、
そう思ってたの

春馬、指入れたりしなかったよ

おまえは翔太じゃねーと濡れねーんだな

そう言われたとき、涙が出ちゃったの

…セックスって、不思議、
赤ちゃん作るだけの行為じゃないんだなって、
不覚理解し合えるんだなって、
二人を見てて思ったんだ、

ワタシは何をしてたのかなって、
すっごい後悔したわ、

なんとなく、翔太が昔言ったこと、わかったんだ
私がアイツを好きだったのなら、
エッチして、気持ちよかったのなら、

将太が帰ってきたら、女の武器使って、落とせよって、春馬が
優子さんにも、言われたの
モタモタしてると、他の男に取られるよって

でも、負い目があるから、
バージンじゃないから、
だから、将太が帰ってきた時も、
私の元に来たんじゃない、
マイナス思考になっちゃって、

口説かれたい、今の私でいいよって、言って欲しい
そんな事ばかり考えて、拗ねてたの

翔太とエッチして、また、見えてきたものが変わったかな

真由美が、そう話したんだ



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