《MUMEI》
お洒落なデートは似合わない
眞由美をデートに誘ったんだ

お酒を飲みに行こうよって

背伸びしたデートねって、優子さんに笑わらたけどさ
でも、優子さんが俺をコーディネートしてくれたんだ、

麻のジャケット、
着なれない洋服だけど、
少し大人に見えるかなって自分でも、思ったんだよね

髪も優子さんが、少し切って、セットまでしてくれたんだ

待ち合わせしようって眞由美が言ったから、
眞由美と顔を合わせず出かけたんだ

一緒に暮らしてるのに、なんな変だよね

電車に乗るのも久しぶりだったな
スッカリ夏日で、エアコンが気持ちよかったなぁ

時間まで、いろんなお店をプラプラしてたんだ

みんな、お洒落してるなぁ、
男も女もさ
お洒落の街だもんなぁ

人気スポットもたくさんあってさ

普通の生活、眞由美と、デート、
胸がたかなったよ

待ち合わせ場所の、有名なテナントビルの前に30分以上前に来たんだ

カップル達が待ち合わせてる、
派手な一文字居れば、年輩の夫婦みたいな人もいて、
もしかしたら、不倫だったりとか、考えちゃったんだよね、

でも、みんな、パートナーが来るのを待ってて、
現れたとき笑顔でさ

夕方の6時30分、近くの交差点に、優子さんの車が停まったんだ、

車から現れた眞由美

繁華街で、人が多くて、
でも、みんなが眞由美を見たように思えたんだ

ありがとう、優子さん

車の中の優子さんに手を振ってた眞由美

短いホットパンツっていうのかなぁ、
長い生足が綺麗でさ、

シースルーみたいな長袖を羽織ってたんだ

長い髪が風に揺れてて
俺の前に来た眞由美が、

お待たせ

って

………あ、うん

どうしたの?

き、綺麗だなぁって、

やだぁ、もぅ、ほら、行こう

う、うん

俺の腕に腕を絡めてきたんだ

周りの奴らは何で俺がこんな綺麗な女の子をって、思うだろうなぁ

ねぇ、雑貨見たいんだ

うん、わかんないから付いてくよ

お店を数件回ったんだけど、なんも買わないんだ、眞由美

すっかり街が暗くなって、ネオンが綺麗でさ

お腹すいたねって

さっきコレもらったんだ、
人気のお店らしいんだけど、これ持ってたら比較的待たずに入れるんだって

え?

お洒落な居酒屋さんみたいだよ、行こうよ

あ、う、うん

どしたんだろ?眞由美
少し困ったような顔したんだよね

お店に入ってわかったよ

最悪だな、俺



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