《MUMEI》
皇子×騎士
とある王国の皇子は臆病だと有名で、国民達から噂されていました。

いつも傍にいる騎士に護られてばかりだ、と。
その騎士は最強で敵を一度に何人も斬ることができるなどこちらも国民達の噂の的でした。

国民達は誰も知らなかった。

それが敵国を欺く為の演技だと。

皇子は騎士など要らないほど

強いのだと。





お前は飾りになれと言われた時は動揺した。
皇子の実力を隠す為の飾りになれと。

それは命令であって拒否権など無い。
ただ皇子の横にいて強者を演じればいい。
もともと知名度があった自分は見事に適任だったらしい。
言われるがままに忠実に任務をこなす。

難しいことではなかった。

ただ、実力を隠すことがどれ程歯痒い事かを知っているだけに皇子が不憫でならない。

何故なら自分も昔はそうだったから。

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