《MUMEI》

店に戻り、テーブルに座ってた、
出された料理に手をつけることはない
もちろん飲み物もだ

闘気をお沈めください!

女がしゃしゃり出て、良いことひとつもないぜ

どうして勝つのがわかってるのに争おうとなさるのですか?

へどが出っからだよ、
不良のルールだかなんだか死んねーけどよ、
何で眞由美が不愉快な思いをしなきゃなんねーんだ?
答えてみろ、綾波!

翔太様、眞由美様がお喜びになるとでも?

質問に答えろ

…………答えられねーようだな、
なら、教えてやる、
どんな世界でも序列がある、だけどそれは、みんなが理不尽な思いをしないようにだ、
ソイツは、俺より年上かもしんねーけど、ワビ入れる態度じゃなかったぜ、
カッコつけて良いのは男だけだ、
俺より男が上だってのなら、あれで許されさ
見せてもらわなきゃならねーな、
ドイツもコイツも温いんだよ!

ヤマトを見て怒鳴ったんだよね

誰も口を聞かなかった

目上は目上かもしんねーけどよ、
安いワビなら無い方がマシだぜ、
余計に神経逆なでされらぜ、

ワビ入れるぐらいなら、はなっから粉かけなきゃイーだろうが
負けそうになったら、ごめんなさいか?
寝言は寝てから言えや

立ち上がったんだ

綾波、俺が間違ってるというなら、正しいものを見せてみろ
それから意見を言う事だな

店を出ようとしたとき

うちの料理は気に入らないかい?

そう、声を掛けてきた人が居たんだ
ナチュラロイドなのは、すぐわかったよ

年輩の人だった、
両足が無いんだ、車椅子だ

ごめんなさい、食べてません

食べてってくれないのかい?

はい、今は食べれませんので

悲しいことを言うんだな

俺も悲しいです、
ヤマトがこんな温い奴だったなんて

そうかい、仕方ないことだね

はい、そう思います

また来てくれよな

気が向いたら

そう答え、一礼をして、店を出たんだ

行き先は決まってる、
ヤクザなんかとつるんでる、野に下ったナチュラロイドの元だ

たぶん、殺すことになるよな



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