《MUMEI》

夜8時すぎに、真由美が帰宅したんだ

ただいまって、普通にね

眞由美、何がどうなってるの?

ん、順を追って話すね、
先にシャワーして来るね

先に話してよ

待ってて

待てないんだ

待っててってば!

待てないと言ってるんだよ!

翔太、落ち着いて、ね、ほら、向こう行こう

何故遠ざけるの?

いいから、ほら

眞由美さんの、手を払い除けたんだ

なんで、消毒液みたいな匂いがしてるの?

あ、あのね
あっ、翔太!

…………どうして、注射ハリの跡があるんだ?

話すから、待って
あっ!

何で下着が汚れてんの?

………検査、したのよ

子宮のか?

え?!

…………答えてよ

なんで?、知ってるの……

どうして、俺に話さず行ったんだ?

あ、あのね、秘密にしようとした訳じゃ

答えろよ、眞由美
アーシューリーツ検査か?

!、な、なんで?

パメラとソフィアも受けるように言われてるそうだよ、

ぁ、別にセックスした訳じゃ

自分の価値観だけなのかよ!!

翔太、聞いて

ふざけんな!

必要な事でしょ?!
話したら反対するわよね?!

必要ねーだろ?

え?………
しょ、翔太……

お、おい、翔太、落ち着けって
優子も以前

春馬さんの手を払い除けたんだ

翔太、落ち着いて話そう、ね?

優子さんを無視した

翔太!聞いて!

断る!
ふざけんじゃねーよ、
何やってんだよお前、
ナチュラロイドもネオロイドも、関係ねーだろうが!

そんなに、ネオロイドの子どもが欲しいのか?
誰を見てんだよ!
俺を、見てねー眞由美に、用はねーよ、

翔太!

じゃぁな

翔太ぁ!

落ち着けよ、翔太!

ガッシャーン!

携帯電話を壁に投げつけたんだ

波動が、漏れてた

壁に穴が空いてたよ、
そして、真由美がと、お揃いの時計の文字盤が吹き飛んでたんだ

腕時計を、外し、投げ捨てた

翔太………冷静に…

気安く呼ぶな

優子さんにそう告げ、靴を履き、玄関を出たんだ



前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫