《MUMEI》

優奈は悲鳴と嗚咽を漏らしながら階段を駆け下りそして祐樹の壮絶な悲鳴を聞き足を踏み外し転げ落ちた

「祐樹!!私のせいで…私を逃がすために祐樹は…私が祐樹を殺したんだ…」

そう呟き優奈は立ち上がるその時背後から微かだがの声が聞こえてきたその声は

「テケリ・リ、テケリ・リ」

と言っている様だったそして優奈は一人でいるのが怖く、その声のする方に向かい歩き出す

「誰かいるの?、いるなら返事をして!!」

声の聞こえて来た方に声をかけなが歩いてゆくとまた、「テケリ・リ、テケリ・リ」という声が先ほどより少し大きな声で聞こえて来た、
そして優奈はその声にとても聞き覚えがあった、その声は数分ほど前まで肝試しをともに楽しんでいた祐樹のものだった

「この声…祐樹なの!?生きてたのね、私を一人にしないで!!」

優奈は祐樹の声のする方へ駆け出した

「祐樹無事だったの?」

少し薄暗かったが優奈の目の前には、優奈を化け物から庇った祐樹が居た

「優奈無事だったんだねよかった」

そうして優奈は祐樹の顔を確認し安堵祐樹に近づいてゆき2人は抱き合った…

「優奈もう離さないよ?」

「え…え?」

優奈は突然の言葉の驚き戸惑ったが、次の瞬間には恐怖に凍り付いてしまった
なぜなら祐樹の下半身が黒いアメーバ状になっていたからである

「え?祐樹?」

「優奈もう離さないよ…離さないよ」

その声は祐樹のものではなくかすれてよく聞き取れないが女のとても聞き覚えのある声だった、
そして祐樹の上半身の形をしたものは胸のあたりをぼこぼこと変化させ大きな口を作り出し、そのまま優奈の腕の肉を途轍もない力で食いちぎった

「ぎやぁああぁっぁぁあぁ!!」

「優奈もう離さないよ…もう離さないよ」

優奈は離れようともがくがまったく意味を成さず、再び大きな口に食いつかれ肩の肉を食いちぎられていた

「離さないよ…離さないよ」

優奈は自身の肉を食いちぎられ骨を噛み砕かれる痛みに耐えられず悲鳴ををあげながら微かにその声を聞いていた、
そしてその声の持ち主の顔がすっと頭の中に浮かんできた

「成・・・・さん・・・・?」

その言葉を呟いたとき大きな口は優奈の首を捕らえたそして優奈は声のない断末魔の叫びを上げ絶命した

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