《MUMEI》
空っぽ
春馬さんと冴木さんに、ごめんなさい、したんだ

呆気に取られてたな、二人とも

眞由美の様態は、安定したそうだよ、
顔は見てない

調べたいことがあるからと、俺は、
風雅ベースの最下層に篭ってたんだ

俺のパワードスーツが置かれてる、
厳重なセキュリティーエリアに

限られた人しか入れないエリアは、
人と会わなくて済むから楽だったんだ

それに、たぶん、そうなんだ

エバは、俺がこのパワードスーツを、纏わないように作ったんだな

シンクロ律がものすごく高い領域に設定されてる、

覚醒領域の高い位置に

エバは、俺に、覚醒するなと言ってるのかもしれない

それに、このパワードスーツは、
以前持ち主が居る

誰なんだろう?

見たことない、特殊な繊維

触ったことない、この感触

でも、わかる、
新品ではない

俺以外にもネオロイドの雄は居るんだ

確信したんだ

お前も空っぽなんだな

中身が無きゃ、スーツはただのオブジェ

俺も、オブジェかモルモットか

捨てよう、自分を

自分の為に生きることは出来ないんだ

孤独なら、死ねばそれで許されたかもしれない

あの時樹海で死んでたら、楽だったかもしれないな

生きて、人と交流しちまった、自分の責任なんだよな



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