《MUMEI》 祐樹の形をした化け物は少しの間優奈を貪っていたが、不意に動きとめアメーバ状になり肉を喰らわれ身体が所々欠損し血まみれの優奈を運び始めた そして化け物は優奈を図書室に運び込んだ、そこには暗がりの中に1つの人影があった 「またえらく欠損してるね、まぁいいかりがとねショゴス」 その人影はアメーバ状の化け物をショゴスと呼んだ、そして優奈の死体を近くの机の上に運ばせた 「コレでまた玩具が1つ増えた」 人影は楽しそうに言いながら、懐から1冊の革張りの黒い本を取り出し呪文のようなものを唱え始めるが本が光ったりするでもなくただ時間が過ぎた 「失敗かな、やっぱり人の作ったこの写本は不完全だったかな?」 人影はそう言うと黙り込み何か考えているようだった、そして考え込んでいるうちに優奈の死体に異変が起きた 「ひ…ひゅう」 と何か不完全な呼吸の音が聞こえて来たそれに人影は気づき視線を向けると、そこにはのどを噛み千切られ声もでず足の肉も喰いちぎられ立つ事もままならない状態の完全に死んだはずの優奈が立ち上がろうとしている姿だった 「人の作ったこの写本もなかなかだね、呪文を思い出さなくてすんだ」 人影は優奈に近づくと本を開くそこには後催眠による精神操作と書かれているそして優奈にそれを楽しそうに施した 「コレで君は私の玩具だ、さて次はどっちのペアを襲おうかなぁ…」 人影は少し考え込みそして「きーめた!」と楽しそうにつぶやき、何かの準備を始めそして終らせ校舎の外にでる、月の光によって人影の姿があらわになるその姿はこの肝試しの主催者である成瀬だった 「次は優奈ちゃんとこの子でいいかな」 と楽しそうにしている成瀬の下にどこからともなく霜と硝石にまみれた翼とたてがみの生えた馬のような頭部を持ち、象よりも大きな体の名状しがたい生物が降り立つ成瀬はその生き物を撫でた 「シャンタク来てくれてありがとね」 そう言いながら成瀬は次の犠牲者の死に様などを考え、口元がほころんでいた 前へ |次へ |
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