《MUMEI》






「待ってろな」



「はい」





伊藤さんは車を路駐したままサッとコンビニへと入っていった。




ここは伊藤さんのマンションから一番近いコンビニらしい。




住宅街の真ん中にあるコンビニ。




一階だけ店舗で上はマンションになっている都心部じゃありきたりな造り。





――この辺は高級マンションが多い住宅街みたいだ。




がやがやした昭和の空気漂う巨大団地住まいの俺が住む所とは、間違っても雰囲気が違う感じ…。





同じ23区なのになあと色々考えていると、後部席がガチャリと開き、そして閉まった。





そして伊藤さんは運転席に乗り込んで来る。




「な、おでんは持ってろ」




「あ、はい」





それをがさっと手渡されて俺は膝に置く。


そして伊藤さんは車を発進させ、本当にあっという間にマンションに着いた。







「まー入って」



「お邪魔しまーす」



キーを刺し、暗証番号を押した後通された部屋は…





「スゲー!芸能人の部屋だ!!」





やたらに広いリビングにキッチン。





いかにも高級そうな家具があちこちに点在していて、ただびっくりで固まってしまう。

「はは、全然たいしたこたねーってよ、ゆうちゃんだって半年後はこんなとこに絶対住んでるから」


俺は促されソファに座る。





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