《MUMEI》

「面白いそうじゃない、これにしようよ」
さくらの意見に皆同意する。

「このクイズ大会は5人以上8人未満の団体戦で競われるみたいね」

「随分とアバウトな人数設定なんだな」

「たぶん人数が少ない方が有利な問題と多い方が有利な問題があると思うの。詳しくは書かれてないけどきっとそうよ」

「うむ。なら俺達の班全員で参加しよう。アニメやゲームの問題なら俺が全部答えてやるよ」

「あら、たいした自信ですわね。まぁ私も音楽の問題なら優雅にお答えしますわよ」

スポーツならまかせろとか歴史ならどんどん来いなどと俺らはクイズ大会の話に盛り上がった。和気あいあいってのはこういうことなんだな。そう感じている時であった。
さくらのこの一言からおかしな方向に話が進むのだった。

「団体戦だからみんなで協力することが必要ね。じゃあ一番貢献した人にご褒美があるってのはどうかしら」

「ご褒美、良い響きの言葉だな。なら一番活躍した人がご褒美を好きに決めれるってのはどうだ?」

「あんたまた変なこと考えてるでしょ。そんなの絶対ダメよ」

「だったらお前が一番になればいいじゃないか。ははん、お前実はクイズとか頭使うの苦手なタイプなんじゃないのか」

「何言ってるのよ。あんたなんかより頭使って生きてるわよ」
顔を真っ赤にしながらまことが反撃に出る。

「だったら勝負しようではないか。俺達は優勝を目指す。しかしチームの中で誰が一番なのかも競い合おうではないか」

「上等よ。私が勝ったらあんたは私に喋りかけるのを禁止にするわ。本気で行くから覚悟しておきなさい」

「まぁせいぜい頑張れよ。今までに積み上げて来た知識を存分にはっきしてやる」

「滝沢くんが積み上げて来た知識ってのがちょっと気になるな。でも私も負けないよ。新しいバッグが調度欲しかったの」

言い出しっぺのさくらが笑いながら言った。笑いながら……いやこう表現するべきか。
ニヤリと………

さくらは実はクイズが得意で、みんなからご褒美がほしくてここまで話を持ってきた。そんな気にさせる笑顔だった。

「私も負ける気はございませんわよ。私が勝ったら皆様にはこれから私の荷物持ちにでもなって頂きましょうかしら」

「僕が勝ったらどうしようかな?飛び切りのご褒美を考えておくよ」


−−なんか面白くなって来たじゃねぇか。絶対1番になってやるぜ。クックック。

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