《MUMEI》

空が騒がしかった

ジオが笑ってやがる

通信が回復してるわ、翔太、
島の封鎖が突破されたわ
原子力潜水艦よ

ソフィアが言ったんだ

共産圏の奴等ね

ターニャの、言葉に

核戦争でも、してみるか?
政治を知らんガキ共よ

不敵な笑いをしながら、
ジオが言うと
同時に、テクノロイドが現れたんだ

無機質な、気配の少ないテクノロイドが、ウジャウジャトね!

眠らせとけば、お前らでも気配を感じねーだろ?
私の兵士たちだ、

この力を欲しがる輩も居てね

眞由美を連れてく、
逆らえば、皆殺しだ、島の住人ごとな
くっくっ、逆らう力も残っちゃいなさそうだな、
なかなかだったよ、少年、安らかに眠れ

……そうかい、
なら、そうするよ、

翔太!、あ、諦めるの?!

眞由美の言葉

声を聞いたの、久々だね、
……サヨナラの時が来たんだ、

翔太?……

さぁ、アリーシア、俺の体をくれてやる、
貴女の、出番だ

翔太、いけない!

ダメ!覚醒しないでぇ!!

滴る血が、止まってた
体が熱い、
堪えようのない耳鳴りがしてる

な、な、なんだ、この闘気は?!

赤い、封印が赤くなってるわ!

ダメ、翔太ぁ、きゃーっ!

ターニャ!

ソフィア、ち、近付けない、翔太、翔太に!!

……お前の子など、欲しくねーってよ、
ジオ、
王族を、皆殺しにしてまで、欲しかったものはなんだ?
醜い欲望に駆られた、浅ましい奴め

テクノロイドが、動いた、
一瞬にして、五体のテクノロイドが、その体を真横に切り裂かれ、
上半身とかはんしんに分かれ、転がってた

アリーシアか?!
……いづれ、決着を付けねばならんな

逃がすか?!

!……爆風、

何体かのテクノロイドが自爆したんだ、
仲間のテクノロイドを巻き込んで

し、死んでない、わよね?
ターニャ、

波動よ、フィールドよ
翔太だよね?

声は聞こえてたよ、でも、
ジオの姿はなく、
残ってるテクノロイドを殲滅したんだ

つ、強い、こ、こんなこと

見えないわ、翔太の、動きが

窓を見た
そっちか、ジオ

翔太ぁ!!
行かないでぇ!

眞由美の、声が聞こえた気がしたんだ

もう、俺の意思じゃなくなってた、
体がかってに動いてたんだ

海からミサイルが飛んできてた

はどうで集めた光の束を放ち、撃ち落とした

この力は、人類の力なのかな?

薄れてく、
思考が、

アリーシア、きっと綺麗な女性なんだね、

次に生まれ変わったときは、しあわせになるといいね

眠るよ、
ありがとう、アリーシア
大切な人を守ってくれて、

ありがとう

落ちていったんだ、

真っ暗で、果てしない悲しみの沼に



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