《MUMEI》

すんげーなぁ、冴木

俺の戸籍は抹消されてなかったんだ

VIPの戸籍は閲覧できないだけなんだってさ

日本も動き出しては居るんだね

手続きを待ってたんだ、
やたら豪華な応接室で、マズイ珈琲を飲んでさ

禁煙かよ……

あ、懐かしい気配だ

き、緊張するなぁ

翔太ぁ!

うわぁぁぁ、

春馬さんが飛び付いて来たんだ
テーブルの珈琲が溢れちゃったよ

むにゅう

優子さんだ

育ってるかも、胸

翔太、翔太、翔太ぁ

ど、どうしよう、身動きできない

でも、いーや、心地いいなぁ
ふたりに抱きしめられて

!、は、そうだ、連れてかなくちゃ

!そうね

待て、おい、まだ、手続きが

冴木、そんなもん勝手にやっとけ!

行くわよ、翔太

へ?

うわっ、

手を引っ張られたんだ

アメ車だ、四枚ドアの、高級そうな

こんなに飛ばして捕まらないのかなぁ?

力あるなぁ、この車

禁煙じゃねーぞ

ぁは、んじゃ早速

はい、翔太

あ………なんか、ドキドキだな

クスクス、特別美味しいわよ

優子さんが、自分の唇で火をつけたタバコをくれたんだよね

ルージュが付いてるタバコをさ

うん、美味しいや

あら、少し変わったわね?

そう?

やりまくってたんだろ?
アシーリアで、
大人びるさ

そうよね、二十歳よね?

あ、そっかぁ、そうだよね
忘れてたよ、歳なんて

物凄い運転で、着いたのは
春馬さん達が結婚式した、教会だったんだ

ほら、急げよ

ほら、早く

優子さんに手を引かれたんだ

その時、ちょうど教会から、眞由美とヤマトが出てきたんだよね

………結婚するんだ?

そっかぁ……笑顔、見せなきゃな

眞由美が、驚いた顔をしてた

ヤマトが足を止めてた

ゆっくり、歩いてくる、眞由美

おす

チャラケテ声を掛けたんだ

何も話さない、眞由美
ブラが透けるやうな服に、ミニスカート

相変わらず、綺麗だなぁ、

なんか、場が持たねー

式の準備?

……うん

泣きそうな顔してるよ、眞由美

幸せなんだね?
よかった

え?………

泣きそうな顔して眞由美が、表情を変えたんだ、
そして

バシィーン!

思いっきりひっぱたかれたんだ!

行こう、ヤマト、

……いいのか?、眞由美

バカは死ななきゃ治らないわ!

………ヤマトが春馬さんに一礼して、眞由美の後を追いかけていったんだ

ダメね、変わってないわね、

優子さんの、呆れた声

だな……

春馬さんまで

鼻血が、出てたよ、
眞由美、波動使いやがった

脳震盪、おこしてるよ

普通の人間なら死んでるぞ!



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