《MUMEI》
君主×影武者 第2弾
いつもの通り屋根の上で愛しの影武者くんに膝枕されているサボリ魔君主様は珍しく笑顔が無かった。

「(…怒ってらっしゃる?……自分と付き合うのが飽きたとか……!?)」

物凄い思考回路の影武者は一人で考えて一人で落ち込んだ。

「(あぁー、仕事放置で来たから後々面倒だなー。)」

君主様の笑顔の無い理由が伝わらなかった影武者くんは絶賛混乱中。

「(何処かの姫君との婚約が決まったから自分は邪魔だとか……!?)」

影武者くんの異変に気づいた君主様が顔を見上げると泣いていた。

「どうしたよ?」

体を起こして尋ねるとそっぽを向いて黙り込む影武者くん。
頬から滴る涙だけが見えている。

「何かあったのか?」

背後から抱き締めると影武者くんは震えている。

「貴方にっ…お似合いの……姫君が、いるので…あればっ…言ってくだされば…いい、のにっ!」

途切れ途切れで紡がれた言葉に唖然とする君主様。
何故、何があってその結果に至ったのか……

「妬いてんの?」

「うぅ……」

コクリ、と頷く影武者くん。

「大丈夫、そんな話なんざ無いし。……それに本命はお前だけ。」

影武者くんは主に向き直ると一生離れまいと君主様の背中に手を伸ばしてありったけの力で抱きしめた。

*おまけ*
「殿ーーー!仕事が大量に残っておりますぞー!何処におられるのですか!?」

「笑顔が無かった理由って…」

「仕事嫌だなーって。」

「泣いて損した……」

* * * * *
久しぶりの君主×影武者くん。
いつの間にここまで進展したんだよ!って思ったけど意外と書きやすかったw

これからもよろしくお願いします。
如月雛菊でした!!

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