《MUMEI》

優と希咲は3階の端にある理科室に向かい歩いていた

「ねぇ、優はなんで成る瀬先輩がすきなの?」

「何でって、あんなきれいな人好きにならない訳ないだろ?」

「んー、私の記憶でわねあの人そこまで・・・」

「そこまで?」

「まぁいいか、気にしないでそれより肝試し楽しもうよ!」

「ん?まぁそうだな」

そんな話をしながら2人が廊下を歩いていると後ろの方から『ズズズ・・・』と何かを引きずるような音がした

「希咲なんか聞こえないか?」

「え?」

「後ろから何かを引きずるような・・・」

優がそう言って2人は恐る恐る振向いたそこには少し小さいが人影のようなものが居た

「人?ほかのペアの人かな」

「いや・・・あんな小さい人いなかっただろ・・・」

その人影は少しずつ近づいてきていた

「なんか近づいてきてない?」

希咲がそう言ったときに優が人影に向けて懐中電灯の光を向けたそして2人は唖然となった
そこには上半身しかなく下半身があったであろう腰の辺りから腐食しどろどろとした内臓が
はみ出した男子生徒が腐食している首だけの女子の髪を咥えて持っていた

「何だこいつは・・・作り物か?」

優はそういったが男子生徒からは途轍もない腐臭が漂っておりその腐臭が作り物でないことを証明していた

「きゃぁぁぁぁあぁぁぁっぁ!!」

希咲は優の手をつかみ走り出したが男子生徒は器用に両手両腕を駆使しかなりの速度で追ってきた

「希咲!理科室に逃げ込もう!」

希咲は優の手を握り締めながら理科室に勢い良く走りこみそして鍵を閉めた

「あれは何?何なのいったい!!!

希咲はこの世ではありえないものを見て半狂乱となっていた

「希咲少し落ち着け!」

「何で優はそんなに落ち着いてるのよ!!おかしいじゃないあんな化け物が出るなんて聞いてないわよ!」

「そんなこと今ここで言ってもどうにもなんねえよ!それに俺だって怖えぇよ!」

そういって優は机にこぶしを打ちつけたその時、理科準備室の扉がギギィ・・・という音を立てながら開いた
そしてその方向に優が光を向けたそしてその光に照らし出されたのは九条優奈の顔だった優はふぅっと息をつきそのまま下の方を照らすと
無残に肉を喰いちぎられた身体だった

「うわぁぁぁぁぁああぁっぁ!!!」

「きゃぁぁぁぁああっぁぁっぁ!!」

2人は外にでようと扉に向かうが開かなかった

「何でひらかねぇんだよぉ!!」

「いや・・いやぁぁぁ・・・こないで!!」

優奈はよたよたとなりながら2人にじりじりと近づくのであった

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