《MUMEI》 兄弟「私はこの話を聞いた瞬間ぴーんと来たの。絶対本当だって。私に霊感あるの知ってるよね。だから指輪には気を付けて。」 いつの間にか悪寒は消えていた。 「うん。じゃ皆、指輪には気を付けようね。バイバイ。」 私は、別れ際に声をかけた。 「ただいま。」 靴を脱ごうとしたら妹の葉月(ハヅキ)が抱きついてきた。 「葉月。重い」 「ごめんなさい。睦姉、お帰り。」 葉月はにっこり笑うと 「葉月がお荷物、お部屋まで運んであげるね。」 と言って、私の荷物を持ってよろけながら階段をあがって言った。 「葉月。大丈夫か?」 階段の上から声がした。 弟の遥(ハルカ)だ。声からして。 「ハル兄!大丈夫。」 「持つよ。」 「いいの!」 「はぁ。女の子は素直に男の子の行為に甘えないと、かわいくないぞ。」 遥・・・『行為』とかまだこの子分かんないから。 「うーん。分かった。ハル兄お願いします。」 可愛いなぁ。葉月。ちっちゃくて。 「よしッ来た。ついでにお前も持ってってやる。」 「キャハハ!」 葉月は小学1年生。 遥は高校1年生。 葉月だけスッゴく離れてるから皆、葉月を可愛がる。本当に可愛いんだコイツは。 遥なんてもうメロメロ。 「睦姉お帰り。荷物部屋にあるよ。」 遥は葉月を背負って階段を降りてきた。 前へ |次へ |
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