《MUMEI》 日常の中で八月のお盆休みに田舎に帰っていた佐川裕香は、結婚式以来会っていなかった妹夫婦と買い物に出掛けた。 「麻里花、幸せそうね。良かったわぁ。竜也さんに大事にしてもらってるのね。安心したわ。」 「ありがとう、お姉ちゃん。大切にしてもらってるわ。お姉ちゃんも早く好い人見つけてね。幸せになってもらわないと。」 嬉しそうに答える妹を見ながら、裕香は、 (だめよね。不感症だもの。いけない、気にしないんだ。) 裕香の視線はなんとなく竜也に向けられた。 (いい男じゃないけど、感じはいいな。いけん、いけん、この人は、麻里花の旦那よ。) なんで竜也を意識するのか、裕香は、自分の気持ちにとまどっていた。 「でも、久しぶりやなぁ。お義姉さんでいいんかな?裕香さんに会うのは高校以来かな?」 「えっ、あぁ、同窓会には来てたでしょ?」 「うん、隅の方にいたしね。裕香さんは、男子に囲まれてたからね。」 「えっ?そうだったかしら?でも、違ってはないわね。」 (やだ、見られてた。でも、彼も女子に、、やだ、ヤキモチ?うそでしょ、?) 裕香は、妹にではなく竜也にヤキモチを妬いている自分に驚いていた。 |
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