《MUMEI》

後頭部を5針縫われたんだ
鼻血は頭を打った衝撃で出たんでしょうと、
お医者さんが言ってたよ

ついでに折れてた拳が更に悪化してた

くっつき掛けてたのに

念のため、入院だってさ、
いくら掛かるんだろ?……

イズミさんの洋服、血だらけにしちゃったなぁ

救急車か、初めて乗ったなぁ

……………月曜日に、退院して
大学は休んだけど、
その足でバイトには行ったんだよね
鞄は持ってたしさ

稼がなくちゃならないしね

熱っぽい、

フラフラしながら帰ると、家の電気がついてたんだ

そういえば、俺、鍵?!

鍵が開いてる?!

かってに上がってるわよ

イズミさん……

バイト行ったのか?

……タクヤさん

話を聞いて!

アキナ…………

新田から聞いたわ、
どうして知ったのか知らないけど、何もなかったのよ、
連れ込もうとしたのは本当みたいだけど

アキナ、鞄で殴ったんだってよ

そこじゃないのよね?
どうして車に乗ってかって話なのよね

…………別れる気、ないからね

涙目になって、アキナが、言ってたんだ

私のこと見たんだから、話ぐらい聞いてあげてよ、
その後は、自分たちの問題よ、
口出ししないわ

帰ろうぜ、二人の問題だからよ

そうね

タクヤさんとアキナさんが帰っていったんだ

…………大丈夫?

……うん

いい訳ぐらい、させてよ

………眠いんだ

シャワー借りるね

え?

アキナが、シャワー浴びてる

………そんなんじゃないのに、
そりゃぁ、やりたいけどさ

布団に潜り、寝たふりしてたんだ

アキナが布団に入って来た

けど、寝たふりしてたんだ

…………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫