《MUMEI》

電気、消して

しばらく黙ってたアキナが、言ったんだ

うん

部屋を暗くした
テレビはつけてる
壁が薄いから、会話が聞こえちゃうから

全部脱いで、私も脱ぐから

言われたとおりにしたんだ

そして、布団の上で向かい合って座ったんだ

乗り越えるためだよね?

うん、そうだよ

ノブに、嘘はつきたくない、
現実逃避したり、自分の都合の良い方に、
逃げてたのは、自覚してるの
でも、認めたくない自分が居て……

俺の中にも居るよ、
すっごく嫌な自分がさ、先に話していい?

うん………

正直ね、責めたいんだ
俺はアキナの、身体、知らないのに彼氏なの?
なんで、他の男は知ってるの?
そんな思いが強かったんだ

普通だよ、そんなの
言い訳させて、
初めて本当に好きになった人なの、
プラトニックな恋愛なんて知らなかったし、楽しかったの
けどね、エッチしたいって自分もいて、
けど、ノブ、童貞でしょ?
淫乱な女って思われたらとか、色々考えちゃって……

俺も楽しかったよ、
ヤリたいってのはいつもあったよ、
けどね、前は、勇気が無かっただけ、
下手って言われたら、とかさ
とにかく嫌われたくなくてさ……

同じだね

うん、そうだね

ねぇ、変な事聞いていい?

なんでも答えるよ

………ワタシですオナニーした?

何度もしてるよ

いつから?

高校の時からしてるよ

…………バカにしてたんだよ、
なに告ってるのって

そんなのわかってるよ

でも、何度も告られて、少し嬉しくなってたんだ、
周りがバカにしても、好きなもんしょうがないだろって、言ってたよね?

うん

………小学生の時のレイプね、
親戚の人なの

え?

アソコ見せてって、自分も見せるからって、

アキナ…

聞いて、ちゃんと

………うん

…………

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