《MUMEI》

「え?」


優香もパソコン画面を見た。

しかしベッドからの距離では、パソコンに書かれている文字までは見えない。


「何て書いてあるの?」


優香はパソコンから司へと視線を移す。


「それ、ニュースサイトの記事でしょ?」


司は一瞬躊躇ったが、やはりこの二人にも知らせなくてはならないと思った。


「……殺人事件の記事だよ。」

「おい!司っ!!」


案の定、洋平はそれを望んではいなかった様だが、しかし今この状況で、言い訳をする方が逆に不自然だ。

ごまかしは、もう効かない。


「いいの洋平!さっき美樹が言ってたじゃん。私達も知る必要があるって…」


優香はベッドから立ち上がると、パソコンの置いてあるデスクへと向かった。


それにつられて美樹も立ち上がる。


「あ…っ!おい!止せ!!」





しかし






「こ、これ…」



洋平の止める声は無視され、二人は記事を読んでしまった。

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